与沢翼といえば元ネオヒルズ族「秒速で億を稼ぐ男」としてTVや雑誌等でも取り上げられて一般的にも知名度が高い人物だが、2018年夏、突然のダイエット宣言で情報商材販売業界のにならず、一般にも注目を集めた。

表向き与沢翼は高額な生命保険に有利な条件で加入するためにダイエットを決意したという。億単位の保険契約のため、健康状態により数百万円保険料が安くなるという説明には説得力があるが、投資家が投資をすべてストップさせてまでダイエットすると宣言するとなると普通じゃない。

ダイエットのためにトレーニングに時間をとられるとしても、トレードする時間が全くなくなるはずがないからだ。

ここに、与沢翼ならではの人の注目を集めるテクニックがある。『とにかく大げさなことをいう』だけだからテクニックというのは稚拙だが。

与沢翼は毎日のダイエットの記録をTwitterで公開、元々ドバイなど生活の拠点を移した海外でのリッチな生活や美人の奥さんの露出度の高い画像などを配信していたが、「どう見ても自慢にしか思えない」投稿よりダイエットという身近な話題（やってる場所は別だか）の方が共感を持たれやすいのは言うまでもない。

TwitterのTweetは今までとは比べ物にならない程リツイートされ、痩せ続ける与沢翼の画像はブログなどに転載され拡散した。約2ヶ月で－20キロのダイエットに成功して情報商材とは無関係の一般ニュースにもなった。

『家族のために生命保険に入りたいからダイエットを決意し、必死のトレーニングでダイエットに成功したパパ』ということで『与沢翼っていい奴なんじゃね？』という空気さえネットには広がっていった。

しかし、俺の目はごまかせねーぜ！

与沢翼はダイエットみたいな大衆受けする話題で、ネオヒルズ族時代の『黒歴史』を隠そうとしている。

2019年からはプロダクトローンチの広告からも手を引くと言ってるが『はい、そうですか」と過去を水に流す気はないので、与沢翼の過去と現在を確認したい。

与沢翼は元々情報商材やアフィリエイトからネットビジネスに入ったわけではない。
与沢翼のネットビジネスのルーツはファッション通販サイトの経営から始まる。

与沢翼は2006年に『エスラグジュール株式会社』を設立しメンズファッション通販サイト『CRAZEクレイズ』をオープンさせた。その後、当時人気だったファッション誌『men's egg』の公式OUTLETサイト開設を経て、2009年に『渋谷109-2』に実店舗『egg tore』を出店。インターネット通販から実店舗ビジネスへ進出するものの経営難に陥り、2011年エスラグジュールは倒産。負債総額は4000万以上あったらしい。

エスラグジュールの破綻前に経営の行き詰まりを感じていたのであろう、与沢翼は2010年にアフィリエイト会社『株式会社Rajuri』を設立している。この『株式会社Rajuri』こそ、後にネオヒルズ族ブームの中心になった
『株式会社フリーエージェントスタイルホールディングス』の前身だ。

与沢翼は、他人の商品を宣伝（アフィリエイト】するだけでは飽き足らず、自らの商品（情報商材）を販売しようとする。勿論、その方が儲かるからだ。前述の通り与沢翼はエスラグジュールを倒産させており、この時点では成功者とは言えなかったにもかかわらず『全てうそで塗り固める』ことで乗り切ろうとした

与沢翼の情報商材販売方法はこうだ。

1. レンタカーのフェラーリなどで金持ちキャラを演じ「億万長者になる方法を教える」という動画を撮影
2. アフィリエイターに無料オファーで動画を宣伝させる
3. 動画を見た人に高額な情報商材を販売、短期間に大きな売り上げを上げる
4. 入った売り上げからアフィリエイターに無料オファーの報酬を支払う

億万長者でもないのに億万長者になる方法を教えるという動画を撮影し、広告費を支払う原資を持っていないのにアフィリエイターに宣伝させるという自転車を持っていないのに自転車操業しようとしている所がすごいと言えばすごいが、はっきり言って詐欺行為だ。

アフィリエイトとプロダクトローンチ・無料オファーの仕組みについては「関連記事」をご参照ください。
（注）後で川島和正の記事へのリンクを入れる

与沢翼の姿を見て、雨後の筍のごとく「経歴詐称」した自称成功者が「誰でも簡単に出来る金儲けのノウハウ」を無料動画で公開する無料オファーと、その後販売される「全く役に立たない高額な情報商材」が大量発生してしまうのにさほど時間はかからなかった。

与沢翼に続いてその取り巻き連中も情報商材を次々とプロダクトローンチで販売するようになる。なんといっても、本来であれば一番難しい商品開発（稼ぐノウハウ）が嘘なので作るのは簡単だ。これが「ネオヒルズ族」の誕生である。

しかし、嘘で塗り固められた億万長者の虚像と違って内情は火の車だったようで、情報商材の売り上げではアフィリエイターに支払う報酬が足りないため、他のプロダクトローンチを販売してその売り上げで先のプロダクトローンチのアフィリエイト報酬を支払うという、2重の自転車操業だったらしい。

このようなやり方がいつまでもうまくいくはずもなく、アフィリエイターに支払う報酬を踏み倒したこともあったようだ。

2014年4月、与沢翼はカード決済会社が破綻して売上の入金が途絶えたため資金がショートした為、株式会社フリーエージェントスタイルホールディングスが経営破綻状態である事をフェイスブックで発表した。

雑誌の取材にカップラーメン片手に段ボールの上に座って写真を撮らせるなどの悪乗りが功を期して、「秒速で億を稼ぐ男がホームレスに」と話題になった。

しかし、与沢翼にとっては複数所有する法人の一つを生産したに過ぎず、個人資産には影響はなかったはず。むしろ赤字の会社を畳んだ事で注目を集めて宣伝効果で大儲けだった事だろう。この時期与沢翼のアメーバブログはアクセスランキングで1位だったらしい。

その後、与沢翼は個人投資家への転身を表明したが、投資家としての実力・実績ははっきりしない。何せ、全て嘘の実績で売ってきた男である。また、個人投資家与沢翼として有名投資家「ウルフ村田」との共同名義で投資系の情報商材を販売して情報商材販売業から引退したわけではない事も明らかにしている。

関連記事　 ウルフ村田は投資家のオモチャ！？口コミからわかる彼女の投資家人生

与沢翼は仮想通貨投資家としても有名だ。与沢翼がADA（エイダコイン）を紹介したあとADAが高騰したため、「与沢翼のおかげで儲かった」という投資家が多いのは事実だ。

ADAは上場の予定を半年も延期してSCAM(詐欺)のうわさが絶えない仮想通貨だった。悪評に販売が低迷してしまい代理店を使って宣伝することにしたがまともな代理店は評判を落としたくないから相手にしなかった。

そこで与沢翼のような人物に代理店として白羽の矢が立ったようだ。また怪しさでは与沢に負けていない自称「キングオブコイン・泉忠司」もADAの代理店だった。ADAは日本における与沢翼と泉忠司の評判を良く調べなかったのであろう。

与沢翼が仮想通貨投資家としてどの程度の利益を上げているかは全く分からないが、433万XRPの保有を表すスマホのキャプチャー画像を公開したことがある。2019/2/13現在　１XRPは約34円なので約1億4722万円分のXRPを所有していることになる。

個人投資家としてまっとうな方法で得たXRPであればよいのだが。

現在は個人投資家としてドバイで生活している与沢翼。クリーンなイメージづくりに余念がないが、その基礎になるネオヒルズ族時代の情報商材の中身や、プロダクトローンチによる広告手法は詐欺まがいでクリーンではなかった。